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初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
第14章 すれ違い
エントランスまで一旦下りて、別の病棟にあるICUに行こうと中庭を通る。
「あれは・・・」
「えっ?」
全面硝子越しに見える中庭。
白衣姿の柚希と奈那子さんの姿が見えた。
涙ぐむ奈那子さんの横顔。
そんな奈那子さんを慰める柚希の優しい眼差し。
奈那子さんには稜真さんと言う夫が居て、彼女のお腹の中には子供がいる。
それでも、私の心臓は切なさでギュッと締まった。
「これ、柚希に渡しておいてください」
私は持っていたボストンバックを大泉先生に押し付けて、踵を返した。
「え、あ・・・眞彩ちゃん??」
見たくないツーショット。
私と柚希は晴れて、両想いになり、入籍も済ませた。
1ヵ月後には結婚披露宴を行う。
周囲から見れば、幸せなカップルかもしれない。
でも、それは私だけの力ではない。
お爺様たちの目がなければ、たぶん、柚希だって、結婚しようとは思わなかったはず。
バス停でバスを待っているとスマホに晃祐さんから電話が入った。
「晃祐さん?」
ーーーー眞彩さん、柚希様の方に何度もお電話をさせて頂いたのですが、お出にならないので、貴方の携帯番号にお電話を差し上げた次第で。
「お話なら、ホテルで訊きます」
ーーーーえっ?
「今から、晃祐さんのホテルに向かいます」
「あれは・・・」
「えっ?」
全面硝子越しに見える中庭。
白衣姿の柚希と奈那子さんの姿が見えた。
涙ぐむ奈那子さんの横顔。
そんな奈那子さんを慰める柚希の優しい眼差し。
奈那子さんには稜真さんと言う夫が居て、彼女のお腹の中には子供がいる。
それでも、私の心臓は切なさでギュッと締まった。
「これ、柚希に渡しておいてください」
私は持っていたボストンバックを大泉先生に押し付けて、踵を返した。
「え、あ・・・眞彩ちゃん??」
見たくないツーショット。
私と柚希は晴れて、両想いになり、入籍も済ませた。
1ヵ月後には結婚披露宴を行う。
周囲から見れば、幸せなカップルかもしれない。
でも、それは私だけの力ではない。
お爺様たちの目がなければ、たぶん、柚希だって、結婚しようとは思わなかったはず。
バス停でバスを待っているとスマホに晃祐さんから電話が入った。
「晃祐さん?」
ーーーー眞彩さん、柚希様の方に何度もお電話をさせて頂いたのですが、お出にならないので、貴方の携帯番号にお電話を差し上げた次第で。
「お話なら、ホテルで訊きます」
ーーーーえっ?
「今から、晃祐さんのホテルに向かいます」