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初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
第21章 妊娠経過
「左室低形成症候群かもしれないな・・・」

それって・・・国が指定している難病の一つで、胎児の心臓病でも重篤な病。
発見が遅れれば、生後1ヵ月以内に死んでしまう。

俺と眞彩の子が・・・

皆が待ち望んだ子が・・・
難病だなんて…俺の目の前は真っ暗になった。


「・・・その子はとても幸運な子供じゃないか…柚希君」

「何を言っているんですか?冗談はやめてください・・・高木院長」

「胎児期に重篤な病が発見されたんだ。こちらとしては対策を立てやすい。
左室低形成症候群ならその子は生後間もなく、一度目の手術を行なわなければならない。
俺はその道のプロだ。
俺が、桐生会長と相馬様のひ孫を救って見せますよ。だから、ご安心ください。桐生会長」


「・・・高木院長は多くの子供の命を救ってきた」

「救えなかった命もありましたが・・・」
高木院長は表情はを少しだけ曇らせ、語尾を濁した。
どんなに腕のあるドクターでも救えない命もある。
でも、それでも高木院長は多くの命を救ってきた実績は誰にも負けない。



「柚希・・・お前と高木院長に、ひ孫の命は預けた・・・」

「桐生様・・・」

「話は終わった。帰る」

「俺がエントランスまでお送りします」

「俺の見送りはいいから・・・眞彩の元に行ってやれ。眞彩は強そうに見えるが、繊細な神経の持ち主だ。
胎内に宿した赤ん坊の病は自分のせいだと心の中で責めているかもしれない。
だから、医者として夫として、眞彩のそばに居てやってくれ。柚希君」



「桐生会長・・・」


「俺の方から岳たちには説明しておく」

「わかりました。桐生社長夫妻のコトは会長にお任せします」
爺ちゃんにとって、俺にとっても桐生会長の存在は大きかった。

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