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第5章 突然のプロポーズ

「眞彩さんは柚希がスキなのか・・・」

「紡さんとの見合いはお断りするつもりです」

「自分の若い時と重なる。
今は俺の妻となった早祐だけど。彼女にも、見合い話が来たんだ。相手は誰だと思う？」

「私の知っている人ですか？」

「うん」
社長は両手を組んで顎を乗せて私の反応を探った。

「誰でしょう・・・」
私は真剣に考えた。


「早祐と同じ東大経済学部の先輩だった敦司様だ」

紡さんの父親・伊集院様が見合い相手！？

「彼は29歳で大手メガバンク『帝和銀行』の頭取に就任したハイスペックな人。早祐も既に『ハートフル』の社長の椅子に座っていた。でも、その当時の俺は『ハートフル』の唯の営業マンだった。俺は焦って・・・見合いの前に、早祐に告白した。フラれたら、結婚してなかった・・・」

社長と奥様は幼なじみ。
頭取と社長。

その方がお似合いのカップリングかもしれないけど、奥様は社長を愛していた。

でも、私と柚希はセフレ。
社長は私達を昔の自分達と重ねているけど、現実は違う。