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小悪魔な狼
第1章 一話 翻弄

「開けていいなんて言ってないよ」

 宮地はくすくすと笑いながら、大きな手で私の目を覆った。
 こういう時、視覚がいかに大切かということがよくわかる。周りの状況を把握していながら与えられる感覚と、その反対とでは、だいぶ違って感じられるものだ。
 次は何をされるのかと様子を窺っていると、包むように優しく耳輪を食まれた。そして、這うようにねっとりと中を舐られる。

「ふ……っ、ん……!」

 宮地の熱が私のそれと溶け合って、火傷しそうなほど熱かった。
 蛇の舌のような動き。羞恥心を掻き立てる、くちゅくちゅという唾液の音。まるで、イヤホンでアダルトビデオの音声を聞いているかのようだった。

「あっ、だ……っめ……、み、みやじ…………や、んんっ」

 こんなに甘くていやらしい声は知らない。自分が自分ではないようだった。
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