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第27章 それぞれの道

「・・・だよな」


「キツい言い方ですまんな宮野」


「その方が現実だと思えるからいいよ」


立て続けの逃避行で、多少は意識的に切り離してはいたが。
こう余裕を持ってくると、主催の死という重荷がのしかかってくる。


現実と受け止めなければならない、かなり辛い重荷だが・・






「・・・本郷さん、宮野は‥‥やはりこっちに居ましたか」


「「仁科！？」」


宮野との話の間に、客間にヒョッコリと表れたのは仁科。
それも至って普通、先ほどまでボロボロだったのが嘘のように、普通に歩いて飄々としているとは。



「仁科、もう大丈夫なのか？」


「ええまあ、完全とはいきませんが、普通にしているだけでしたら大丈夫です‥
・・それで２人集まってどうしました？？」


「部屋が広過ぎて落ち着かないんだよー！
だから本郷さんの所に来た」


「広過ぎ‥‥
ゲストルームですから、広めには作ってありますね‥
嫌でしたら、２人で使えば良いんではありませんか？」


「まあそうだな」


「その方が楽かも俺」


これだけ広ければ２人でも余裕、こんな時だ、１人じゃ落ち着かん。



「仁科、美波はぁ？」


「別の部屋ですが？
流石に疲れ過ぎているようでしたので、無理にでもベッドに入れて来ました」


「ずっと疲れる事ばかりだったもんなぁ‥」


主催との２人行動から始まり、拉致強姦の上杉組に拠点爆破、そしてあの逃避行。
ずっと休む暇も無くだったんだ、美波だって一気に疲れくらい出るだろう・・・・・