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第27章 それぞれの道

(やれやれ、わざわざ釘を刺したというのに、本郷さんと宮野はまた‥‥)


姿も瞳も戻しているせいで、本郷さんと宮野がこの近くに居るのがハッキリ分かる。


最近２人揃って好奇心旺盛じゃないのか？
つい、そんな事まで思ってしまった。



「ではルーク、後で頼みます」


「後で？？」


「・・・あれですよ」


私が目を少しだけ後ろに向ければ、ルークも気が付いたよう。
無言で何事も無かったように、私が戸口へ向かうのを黙って見ていた。





「・・・
またですか？
本郷さん、宮野？？
これで何度目ですかね」


「げっ！仁科！？」


「いや、見る気で見ていた訳では‥
はあ言い訳か‥‥」


「別段構いませんが‥
盗み聞きは趣味が悪いです」


「わりぃ‥」


「すまん‥‥」


流石に思う所があるのか、本郷さんも宮野も素直に謝って来た。


聞かれる見られるに、さほど問題は無いのだが、毎回毎回こうもタイミングよく盗み聞きされると、私でも言い返したくなってしまう。



「だけどさ―
仁科かっけー！！」


「・・・は？？」


「俺より金髪だし、変わった目の色でマジ外人って感じ！」


「・・・宮野・・・」


また宮野の不思議な価値観。
これを見て、こう言えるのは宮野くらいなもの、私も気付いていたが敢えて彩色を変える事はしなかった。



「美波も変わったからな、仁科が変わっても不思議じゃないか」


「私的にはこっちが本来です、普段の方が変えていたんですよ‥
ついでに言えば、力を抑えるのに丁度良かったとも言いますが」