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それを、口にすれば
第9章 けれど、愛してる
初めて目にした結城の男性器。
それは、思ってもいなかった感情を優雨に与える。

その部分が愛しくて、愛しくて……ならなかった。

まずは先端に口づけると、そこは透明の液体で濡れている。
舌を出し、それを舐めると……少しピリリとした結城の味がした。

嫌な気持ちなど微塵も無かった。
ただ、それを愛したくて堪らない。

優雨は口を開き、大切そうに結城のものを口に含んだ。

「ああ……」

声を漏らしたのは結城だ。
優雨の方はといえば、予想以上に大きく口を開かなければならなかったため、苦しくて声にならない。
でもそれは、幸せな苦しさだった。

苦しく感じながらも、精一杯結城のそれをしゃぶる。
唾液が口の周りを汚したが、全く気にならない。

(結城さん、愛してます……)

以前の自分なら望まなかった淫らな行為をしている筈なのに、気持ちが高ぶって仕方がない。
そんな優雨が感じたのは、フェラチオは愛の行為なのだということだった。
もちろん快感を与える行為ではあるけれど、そうすることによって、自分は愛を感じ、そして不思議なことに自分の身体全体も高まっていくのだ。

(ああ、なんで感じるの……)

口を離し、改めてその部分を見ると……先ほどよりも硬く張りつめているのが分かる。
思わずその先端に舌を這わすと、逞しいその象徴がビクンと大きく波打った。

大切そうにペロペロと舐め、ゆっくりと口に含む。
そして少し早く口を上下させると、咥内の愛しいものがまた熱くなる。

結城に奉仕すること……性器を口で愛すること。
その方法は、優雨の身体にいつしか刻み込まれていた。
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