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それを、口にすれば
第9章 けれど、愛してる
「あううっ……ん……」

久々に自分に触れてくれる、愛する人の指先。
触れた部分から、まるで魔法のように身体が熱くなっていくのが分かる。

嬉しくて、嬉しくて……。

しかし乳房への愛撫は長くは続かなかった。
結城の手は優雨の白い肌をなぞるようにして滑り、タイトスカートをまくり上げて黒いショーツを露わにする。

「初めて見る下着だね……良く似合っているよ」

実は、あの紅い下着は良介の唾液でいっぱいになってしまい……あの日のことを思い出してしまうような気がして、今日身に着ける気にはどうしてもなれなかったのだ。

(せっかくの結城さんからのプレゼントだったのに……)

「あれは……」

しかし、結城はそんな優雨の気持ちも全て分かっているようだった。

「私も新しい物を買ってある。あとで身に着けるところを見せてくれ」

「は、はい……」

結城も同じように思ってくれたのだろうか……。
それと同時に、あとで身に着けるということはその前に全て脱ぎさるという意味でもあると気付く。

これからする行為のことを考えればそれは当たり前のことかもしれないが……改めて考えると、優雨は嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになった。

下着に包まれた尻がゆっくりと撫でられると、ゾクゾクとした感覚が込み上げる。

「これをどうしようか……このままでは新しいランジェリーを身に着けることは出来ないね」

もっと、もっと見て欲しいと本能が声を上げる。
恥ずかしい姿を……はしたない自分をもっと見て、そして愛して欲しい。
淫らな自分を……もっと。

優雨はそんな気持ちを言葉にすることが出来ず……ただ、はあはあと喘ぐように息を荒げていた。
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