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それを、口にすれば
第10章 それぞれの想い
外で自由にセックスを楽しむ結城と理沙子だったが、一つだけ暗黙の了解となっていることがあった。
――どんな行為も決して隠さないこと――
そして、本気で誰かを愛することも御法度だ……。
だが、結城は自分がその禁を破ってしまっていることに気付いていた。
理沙子は気付いているのか……。
間違いない……最近、妙に絡んでくるのはそのせいなのだろう。
優雨に対する言葉も辛らつだ。
今までの自分ならば、やり過ごすのは簡単なことだが……優雨が絡んでくるとなるとどうも思うようにいかない。
しかし理沙子は嫉妬深い女では無いし、自分への愛も無いのだから、例えば優雨に危害を加えるようなことはないだろうと思う。
問題は、過去に自分主導でしてきた凌辱行為を優雨にはしないように上手くことを運ぶことだけだった。
「女なんてみんな同じよ……。〝特別〟なんてみんな男の幻想。誰だって、快楽と……お金の前では抵抗できない」
「……そうだな。人間とは皆そういうものだ。男も女も。さあ、もういいだろう。夜更かしは美容に悪いんだろう?」
結城が再び立ち上がろうとしても、理沙子はその手を掴んで放そうとしない。
深酒のせいか……それとも。
――どんな行為も決して隠さないこと――
そして、本気で誰かを愛することも御法度だ……。
だが、結城は自分がその禁を破ってしまっていることに気付いていた。
理沙子は気付いているのか……。
間違いない……最近、妙に絡んでくるのはそのせいなのだろう。
優雨に対する言葉も辛らつだ。
今までの自分ならば、やり過ごすのは簡単なことだが……優雨が絡んでくるとなるとどうも思うようにいかない。
しかし理沙子は嫉妬深い女では無いし、自分への愛も無いのだから、例えば優雨に危害を加えるようなことはないだろうと思う。
問題は、過去に自分主導でしてきた凌辱行為を優雨にはしないように上手くことを運ぶことだけだった。
「女なんてみんな同じよ……。〝特別〟なんてみんな男の幻想。誰だって、快楽と……お金の前では抵抗できない」
「……そうだな。人間とは皆そういうものだ。男も女も。さあ、もういいだろう。夜更かしは美容に悪いんだろう?」
結城が再び立ち上がろうとしても、理沙子はその手を掴んで放そうとしない。
深酒のせいか……それとも。