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それを、口にすれば
第12章 被虐の味
二時間後。
良介は、台車のようなものに乗せられたままレンタカーでどこかに運ばれていた。
目隠しをされているので場所はどこか分からない。
そして、尻を突き出したM字開脚のような無様な格好で台車に括り付けられているために何の抵抗もできなかった。
抵抗など、する気は毛頭なかったが……。
「ふう……はあ……」
風呂を出た後に新たに尻に入れられた電動プラグが強烈な快感を送ってくる。
その快感は車の中でもずっと続いていて、一体今日はどのくらい焦らされるのだろう……と期待と不安でいっぱいになっていたのだが、意外にも早く車はどこかに到着した。
これならば歩いても何とか来れたのではないかという程の距離だ。
バンのドアが開く気配がし外気が流れ込んでくるのが分かると、とんでもない恰好のまま人目に触れることを想像して緊張が走る。
しかし、そんな良介の耳元で理沙子のやや掠れた声がきちんと指示を出してくれた。
「何があっても声を出してはダメよ? 言いつけを破ったら……分かってるわね?」
これでもう安心だ……。
ぶんぶんと大きく頷いて見せると、頭頂部にキスをしてくれるのが分かり気分が高揚する。
どこに着いたかは知らないが、今からきっとすごい体験ができる……。
理沙子は期待を裏切ったことが無い。
良介は、理沙子が見せてくれる倒錯した世界の虜だった。