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それを、口にすれば
第14章 絆
優雨が戻った時には、部屋は少し薄暗くなっていた。
そして戻るとすぐ、話をしましょうと言って優雨は良介をリビングのテーブルに誘った。

「ちょうどいい。俺も話があるんだ……優雨」

ここのところまともに話をしていなかった優雨は驚いた。
テーブルの向こう側の良介が、きちんと足を揃えて座り、こちらをじっと見つめている。

「あなた……」

一体何を話すのだろう……そう思った時、良介が突然床に膝をつき土下座をした。

「すまない……優雨! 本当に今まで……何もかも……」

「ちょっ……どうしたの、あなた……!」

優雨も思わず床に跪いていた。

「古い知り合い……恩人の人と話をしたんだ。そしたら、金を出してくれるって……」

「ええっ?」

話が飛び過ぎてついていけない。

「本当に信頼できる人なんだ。何も心配することないって」

「でも……」

「俺、話していて目が覚めたんだ……心を入れ替えるよ」

初めの借り入れは百万円ほどだったと聞いているが、いま闇金へ返済しないといけない金は何倍にも膨れ上がっている。
そんな金を出してくれる知り合いなんている訳がない……。

困惑した優雨は、頭を下げ続ける良介を見下ろし、言葉を失っていた。
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