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それを、口にすれば
第15章 穢れた時間
夫のこと……?
いや、結城との……関係のことだろうか。

でもそれは理沙子も望んで始まったことだったはずだ。

――こんなにも結城を愛してしまう前までは――

何かの答えを突き付けられたような気がして、優雨の心にガツンと衝撃が走る。
そしてその目にはいつの間にか涙が溢れていた。

しかし、そんな表情も観客や、目の前の男たちの興奮を煽るだけだった。

「ああ、いいねえ……その顔、堪らないよ」

感極まった様子の店長が、ブラジャーの上から乳首をギリギリと摘まみながら優雨の口もとを舐めまわす。
顔を動かそうにも、片方の手で首の後ろを強く掴まれてどうすることもできなかった。

「んーんー!」

痛みは酷いし、大きな唇と舌で顔中をベロベロと舐めまわされると、ぬるっとした感触が気持ち悪くて堪らない。

(結城さん……助けて……)

しかしつま先立ちで吊るされた優雨は、ただ犯され続けるしかなかった。

(イヤ……嫌!!!)

長く続く顔面への凌辱に優雨が吐き気を催しそうになった頃……。

「……店長、アレを出しましょう」

と主任が口にして、再び暗がりに戻っていく。
すると店長も動きを止め、優雨は悪夢のような口づけからやっと解放された。

どうやら、プレイに没頭するのは店長だけで、主任はこの不可解なショーの進行を任されているらしい。

観客からの不満が出ないようにプレイをコントロールする様は、このようなショーが幾度となく繰り返されてきたことを暗示していた。
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