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それを、口にすれば
第15章 穢れた時間
(あああ……)

声を出すことは必死で我慢した。
私語が減って来たのだろう、時々大きな声を上げる客がいる以外は皆押し黙っていて……
会場は時折、静けさに包まれる。
こんな場所で一人で恥ずかしい声を上げるなど、考えられなかったからだ。

そして、会場……という言葉を使ったところで優雨は気が付いた。

……ここは自分が働くレストランの地下室だ。
店の建物は創業当時のままで古く趣があるが、地上にはリフォームされた事務所や倉庫があるために優雨はこの薄暗い地下室に立ち入ったことが殆ど無かった。

〝今回の奴隷〟と言っていたけれど、まさか今までも定休日の時などにこんなことが行われていたのだろうか……。

全く気付かなかった。
店長や主任の正体も……。

店長が乳房を寄せてふたつまとめるように掴むと、両の乳首を突き合わせ一度にベロベロと舐めまわす。
そのはしたない行為にも優雨は大きな羞恥と快感を覚えた。

(愛してもいない人なのに……どうしてなの?)

「ん……んんっ……」

まくり上げられたニットにタイトスカート。
その姿のまま、二つの乳首を同時に弄ばれていると、まるで自分が物になったかのような気持ちがしてくる。

「はあ……はあ……」

上がって来る息が抑えられない。

「ああ……敏感だねえ……優雨ちゃん。身体が赤く染まって来たよ。乳首の先も尖ってコリコリだ……ああ、もしかして……」

店長に言われなくても、優雨は感じていた。
小さいが、確かに波が迫ってきていることを……。
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