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それを、口にすれば
第15章 穢れた時間
「いや……いや! あああ……」

乳首が激しく吸い立てられる。

(あ……イッちゃう……!)

「うっ……」

ビクン……ビクン……という身体の動きが抑えられない。
優雨は夫の前……そして、大勢の常連客の前で達してしまっていた。
ただ、乳房を吸われただけで。

『あの、家庭的で慎ましい女性も一皮むけばただの女です……皆さんご覧いただけましたか……乳首を立てて絶頂する淫らな人妻の姿を!』

煽るような主任の声に、客席からも掛け声が飛ぶ。

「優雨ちゃん! かわいいよっ」

「ううう……」

大きな歓声と笑い声が上がり、優雨はあまりの情けなさにまた涙を流した。
観客席の方をまともに見ることは出来ない。
もう夫の様子に気を配る余裕もなくなっていた。

ああ、結城さんごめんなさい……。

羞恥と快感に痺れる意識の中で、優雨の心はただ一心に結城を求めていた。

しかし彼は今頃、異国の地で仕事をしているはずだ。
この状況を知る筈も無いし、この声が届く訳はない……自分がしっかりしなくては。
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