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それを、口にすれば
第16章 愛しい名前
「ぐああああ……!」
獣のような声を上げる店長が優雨の身体を台座から振り落とす。
ガツン……と床に頭を打ち付けると、優雨の意識は遠のいた。
朦朧とした意識の中で、店長の口もとから大量の血液があふれ出るのが見える……。
「このアマ……!!」
店長がこちらに向かってくるのが見えるが、優雨は不思議と怖くはなかった。
心が麻痺してしまっているのか……それとも。
こんな私なんて……もうどうなっても構わない……。
意識が、完全に闇に落ちた。