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それを、口にすれば
第4章 恥ずかしいお願い
紳士的な、いつもと変わらないあの……低く抑えた声で淫らなことを口にする。
そして、自分を求めてくれる……。

憧れの男性に求められ、悦びを感じてしまいそうになる優雨だったが、それを認めるのが怖かった。

夫以外の男性に身体を許すなんて、してはいけないことだ……。

「私は、あんなこと……」

身体をしならせ、ああ……っと、大きく声を上げた理沙子の尻が良介の上に沈む。

自分の胸の中で渦巻くのは確かに嫉妬だと、優雨は今はっきり自覚していた。

もう愛は無い筈だ。
それでも、胸が焼けるように痛い……。

手で思わず顔を覆ったその時、結城が優雨の足首を掴み、開くように上げる。
優雨はソファーの上に仰向けにバランスを崩し、腰を丸め、足を高く上げる恥ずかしい格好でその太ももを晒していた。

「きゃあっ……!」

夫の目が気になり隣を見るが、良介の顔は分からない。
もしかしたら、こちらのことなど気にも留めていないのかもしれない……。

顔の代わりに、二人が結合している部分がはっきりと見える。

良介の毛むくじゃらの陰嚢に、理沙子の体内から出たものだろうか……白い体液のようなものが垂れ、ぐちゃぐちゃになっている。

優雨は仰向けに倒れるようになりながら、目を逸らした。
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