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それを、口にすれば
第4章 恥ずかしいお願い
「優雨さんのいやらしい匂いがしてきますね……雌の匂い……それに発情する男は多い」

「私は……」

〝違う〟と言いたかったが、どこが違うのだろうか。
自分も確かに興奮しているのに……。

その証拠に、身体の中心が脈打つように熱く、痛いくらいに張りつめているのが分かる……。
自分もあんな風に濡れているのだろうか。

そんな自分を認めるのも怖かった。

「あなた……助けてっ……」

結城の手に力が込められるのを感じて、思わず夫に助けを求めてしまう。

そう、あの人は私の夫なのだ。
そして自分はあの人の妻なのだ……。

どんなに嫌な人でも、例えもう愛は無くても、こんなことは許されない……。

しかし、優雨の大きな声に少し頭を上げてこちらを見た良介は、目の縁をうっすらと赤くしてこちらを凝視しているだけだ。

(もしかして、こうなることが決まっていたの?)

そう考えた方が自然かもしれない。
きっと、夕食の準備をしている時に結城と良介が見ていたのも今パソコンに映し出されているような映像だったのだ。

複数の男性と絡み合う、理沙子の……。

その間にも、結城が足を開こうとしている力はどんどん強まっていく。
抵抗も、限界だ……。
その部分は今、結城の目の前に晒されつつあった。
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