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それを、口にすれば
第5章 封じられた夢、封じられた心
『お願いします……もっと、もっと……ああ……イ、イク……ああっ』

パソコンの画面の中の自分が淫らに痙攣する……それは、初めてのスワッピングの夜の自分の痴態。

どこに隠されていたのか……設置されたカメラによって撮影されていたそのシーンを、優雨はいま身動きできない状態で見せられていた。

昼下がりの自宅のソファーに横たわる優雨は、赤いブラジャーとパンティをだけを身に着け、足を閉じたような格好に縄で拘束されている。
さらに手首は頭上でひとつにまとめられ、太ももの間には電気マッサージ器が縄に挟むような形で固定されていた。

優雨が作ったコットンのソファーカバーと結城から贈られた深紅の下着はミスマッチだったが、それが逆にいやらしい。

「あの夜の優雨はとても気持ち良さそうにイっているね……やはり舐められるのが好きなようだ」

向かい側のソファーでは、結城がそんなことを言いながら、くつろいだ様子で赤ワインを楽しんでいた。

「……あっ……ああ……言わないで……」

今までは考えもしなかったが、見られるということに優雨は感じてしまうようだった。撮影された自分の痴態を見ることも……。
もっとも、あの日以来撮影されることはなかったが。

押し当てられたマッサージ器がうなりを上げる。

優雨はこの器具の快感を先週知ったばかりだ。
初めにクリトリスに押し当てられた時の快感は強烈で……マッサージという言葉から連想する心地良さそうなイメージとは程遠い、悪魔のように凶暴で淫らな機械だと思った。

しかしわざとなのか、そんな快感は初めだけで……今はそれを当てられる場所が優雨の女の中心から少しずらされていて、絶頂に達するにはほど遠い、じれったい様な快感をじわじわと感じるだけだ。
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