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それを、口にすれば
第5章 封じられた夢、封じられた心
けれど、このままでは……。

ついに結城とセックスすることになるのではないか……という期待と不安が優雨の頭をかすめる。

それが結城に伝わったのだろうか。

「……挿入はしないよ。お願いされていないからね。でも、ここは欲しがっている」

そう言ってマッサージ器を止めると、揃えた二本の指を膣に挿入する。
結城の長い指がゆっくりと奥へと進むと、意識している訳ではないのに、まるで迎え入れるようにキュッと柔らかに包み込んでしまうのが感じられる。

その指先は最奥まで到達したかと思うと、上側の壁を探るように膣口に向けて滑らせていき……そして、優雨も知らないそのポイントをこねる様に擦りあげた。

「きゃあっ……なに……ああっ……そこヤダッ……」

「……やはり初めてか」

確かに良介にはされたことのない行為だった。
クリトリスのような直接的な快感ではないのに、その部分を押し込まれるように触られると、まるで息の根が止められそうなほどの快感に包まれる。

自分の身体の中に、全く知らない官能の……底なしの泉が隠されていたことが驚きであり、そして怖くもあった。

激しい、まるで動物のようなだらしない声がどうしても止められない。

「ああああ……ああっ……ああー! うっ……う」

「気持ちいいだろう……優雨。どこが気持ちいい? 教えてくれないか……」

結城に貫かれたい……本当は。

でも……でも。
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