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それを、口にすれば
第6章 気持ちが、あるから
「せ、生理になったの」
思わずそう言うと、チッ……と舌打ちをして良介はすぐに離れていく。
今は生理になる時期とはかけ離れていたが、そんなことに夫が気付く筈もない。
優雨は一人その場に残された。
今でも何よりも子供を授かることを望む気持ちに変わりはない。
でも人妻である自分にとって、母親になるということは良介の子供を身籠るということだ。
自分は本当にそれを望んでいるのだろうか。
この人の子供を……。
揺れる自分の心に、優雨は戸惑っていた。
思わずそう言うと、チッ……と舌打ちをして良介はすぐに離れていく。
今は生理になる時期とはかけ離れていたが、そんなことに夫が気付く筈もない。
優雨は一人その場に残された。
今でも何よりも子供を授かることを望む気持ちに変わりはない。
でも人妻である自分にとって、母親になるということは良介の子供を身籠るということだ。
自分は本当にそれを望んでいるのだろうか。
この人の子供を……。
揺れる自分の心に、優雨は戸惑っていた。