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それを、口にすれば
第7章 本当に求めるもの
「ほらほら、おとなしくしないと怪我しちゃうわよ? 良介も気をつけてやりなさいよ」

優雨を気遣う理沙子の言葉ではあるが、その声はさも可笑しそうに弾んでいる。
そして笑いながら優雨の放り出された足首を掴むと、結城の方に差し出した。

自分の身に、一体何が起きているのだろう……。

「きゃああっ……何をするんですか……!」

理沙子が押さえている左足を、持参した縄で拘束しベッドに繋いだのは結城だった。
無言のまま、足をピンと張った格好になるようにベッドの足もとに固定する。

信じられない思いで優雨が結城の瞳を覗くと、その色は見たことも無いほど暗かった。
暗いけれど、秘めた何かが瞳の奥で燃えている。

それは情欲だろうか。
それとも怒りや葛藤だろうか……。

優雨には分からなかった。

「……動かない方がいい」

そう低い声で告げる結城と理沙子の態度は対照的だ。
理沙子はとても楽しそうに話し掛けてくる。

「優雨のいやらしいおまんこ広げようね、みんなによ~く見えるように」

そんな卑猥な言葉を口にしながら、両手首に革のバンドのような物をはめる。
それを頭上のベッドの柱に繋がれると、優雨は両の乳房を晒して万歳をするような恰好になった。

その間にも結城は優雨の右足を膝を折った状態で縛り上げ、その縄の先をベッドの頭側の足に繋ぐ。

優雨は万歳をし、左足はピンと伸ばしたまま右足は大きく広げた状態となった。

これで確かに暴れたりすることはできない……。
しかし、恥ずかしい部分は丸出しだ。

「……優雨さん、綺麗だよ」

無表情なのに、結城のその声はなぜだか優しく響いた。
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