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それを、口にすれば
第7章 本当に求めるもの
――結城を愛してしまっているのだ――

その思いが、雷にでも打たれたように優雨の心に響く。

誰よりも結城を愛していて、心も身体もすでに結城のものなのだ。
夫のものではない。

「いやあ……」

もう、我慢が出来ない。
泣いて、叫んででも……逃れたい。

しかし、優雨の抵抗の声は良介には届かなかった。

「ん? 何だって?」

「おチンポ入れて、って言ったのよ」

そう、理沙子が嗤う。

「ちが……ちがうっ……!」

確かに、欲しい……。
でも、本当に欲しいのは結城なのだ。
結城に貫かれたい……今、すぐに。

「欲しかったら、声に出して言いなさい。自分から求めるんだ……」

心の中で結城を求める優雨に、結城は無情に命令する。

「ああ……どうして……」

ここで夫でなく結城が欲しいなどと、とても口にすることは出来ない。
それに、疼く身体はもう限界に近かった。
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