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それを、口にすれば
第7章 本当に求めるもの
(結城さんはどうしてこんなことをさせるの……?)

気持ちが通じ合ってきたなんて、やっぱり幻想だったのだろうか……。

良介の先端が、優雨の熱いぬめりの中心に擦り付けられると、直に触れ合う肉同士が卑猥な音を立てて混ざり合う。

――欲しい――

それを、口に出して言うようにと命じる愛しい人。

もう、我慢できない……。
悲しいけれど、逆らえない。

「入れて……入れてくださいっ!」

ミチミチと音を立てて、良介の肉の塊が優雨の身体を割り割いていく。

初めこそ違和感があったものの、それはすぐに優雨の中に馴染み、二つの性器がひとつに溶けていく……それは、長年馴染んだ肉体同士の結合だった。

結城への愛に気付いても、優雨の身体は哀しいことにまぎれもなく良介の妻の身体のままだったのだ。

「ああんっ……ああ……ダメ……いやあっ」

良介のペニスが優雨の中でむくりと大きくなる。

「ハア……ハア……おいおい……そんなにいいのかよっ」

奥までただひたすらに突き上げるだけの動きではあったが、高まり切った優雨は、このまますぐに絶頂に達してしまいそうだった。

――それだけはイヤだ……結城さん、結城さん――

――見ないで――

結城の前で他の男に挿入され、しかもイかされるこの状況……嫌で嫌で仕方がないのに、とても抑えきれそうになかった。

「……ああ、優雨」

結城の声がする。
それは、今までに聞いたことが無いほどに優しい声だった。
そして優しい眼差し……。

その声に涙が溢れて止まらなくなる。
優雨はしゃくりあげながらも結城の名前を呼んでしまっていた。
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