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それを、口にすれば
第2章 一年に一度の言葉
目を奪うその風貌に、何となく気まずい気持ちになり……優雨は咄嗟に目を逸らす。
すると、そんな優雨の手を理沙子が再び握り直した。
「ねえ、優雨さんっていくつ? 教えて、教えて? 私はね、二十八歳。結城は……ねえ、もう三十六になったんだっけ?」
熱烈な握手もそうだが、理沙子のストレートな物言いには驚かされる。
しかし、全く嫌な感じはしない。
理沙子は、その見た目とは違い、親しみやすいタイプなのかもしれないと優雨は思った。
「ああ。……おい、田所さん驚かれているぞ。全くお前は……」
「いえ、大丈夫です。私も……二十八歳です。夫は三十八さ……」
「やっぱり! 同世代かなと思った~嬉しい! 優雨さん、仲良くしましょうね。あ、そうだ! ワインはお好き?」
「……はい」
「良かった! ねえ、週末にでもうちに遊びに来て? それまでに美味しいワインを準備しておくわね! ああそうだ、ワインセラーを置く場所を考えないとだったわ」
ワインセラーのことが余程気になったのだろうか。
そう言ってウインクすると、理沙子は手を振りながら夫を残したまま隣室に戻ってしまう。
(本物のウインクする人、初めて見た……)
その大げさな動作も理沙子にはよく似合っていて、あっけにとられていた優雨も思わずうふふと笑っていた。
と、その時……優雨の口もとに突然、何かが触れた。
すると、そんな優雨の手を理沙子が再び握り直した。
「ねえ、優雨さんっていくつ? 教えて、教えて? 私はね、二十八歳。結城は……ねえ、もう三十六になったんだっけ?」
熱烈な握手もそうだが、理沙子のストレートな物言いには驚かされる。
しかし、全く嫌な感じはしない。
理沙子は、その見た目とは違い、親しみやすいタイプなのかもしれないと優雨は思った。
「ああ。……おい、田所さん驚かれているぞ。全くお前は……」
「いえ、大丈夫です。私も……二十八歳です。夫は三十八さ……」
「やっぱり! 同世代かなと思った~嬉しい! 優雨さん、仲良くしましょうね。あ、そうだ! ワインはお好き?」
「……はい」
「良かった! ねえ、週末にでもうちに遊びに来て? それまでに美味しいワインを準備しておくわね! ああそうだ、ワインセラーを置く場所を考えないとだったわ」
ワインセラーのことが余程気になったのだろうか。
そう言ってウインクすると、理沙子は手を振りながら夫を残したまま隣室に戻ってしまう。
(本物のウインクする人、初めて見た……)
その大げさな動作も理沙子にはよく似合っていて、あっけにとられていた優雨も思わずうふふと笑っていた。
と、その時……優雨の口もとに突然、何かが触れた。