この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
それを、口にすれば
第2章 一年に一度の言葉
一瞬何が起きたのか分からなかった。

目の前には結城が一人で立っていて……
そして、その指先は優雨の口もとに伸びていた。

「おやつの時間を邪魔してしまって申し訳なかったですね」

指先で摘まんだシナモンケーキの小さな欠片を口に含み、結城はふふっと笑う。

「ん、旨い……」

いくら早く済ませてしまいたいと考えていたとはいえ、口の周りにケーキの欠片をつけたまま応対していたことに気付き、優雨は顔が真っ赤になった。
それに、あの欠片を食べてしまうなんて……。

「お……おやつなんかじゃありませんっ」

「……」

「今日は私の誕生日で……だから、だから自分でケーキを作っただけなんですっ」

何をムキになっているのだろう。

これでは、口の周りが汚れていた説明にはなっていない。
それに一人で誕生日ケーキを焼いて食べていたなんて、自慢できることではない……。
他人を相手に感情的になったことなど無い優雨は、どうしたらいいのか分からなくなった。

すると……
優雨の両肩を、結城の温かく大きな手が優しく包む。

「ああ、身体が冷えてしまいましたね……申し訳ありません。優雨さんとはもう少し話をしていたかったが……そろそろ退散しましょう」

「あ……」
/219ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ