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それを、口にすれば
第8章 空を駆ける言葉
『……やはり体調が良くないのか』

(体調って……まさか)

結城は妊娠のことを言っているのだ。
だとしたら本当に、そこまで分かっていてあんなことをしたの……?

『遅れています』

咄嗟にそう送り返したが、返事はすぐに無かった。

……どうしたのだろう。

一分、二分と時間が過ぎていく。

すると、妊娠の話題になったと思ったのは自分の考えすぎで、結城はただ体調を気遣ってくれただけだったのかもしれない……という考えが頭をもたげてくる。

それに生理が遅れているなんて言われても、結城は困るだけではないだろうか。いや、それ以前に何のことだか意味が分からないかもしれない……。
だって男性だし、それに……恋人でもないのに。

そして、いてもたってもいられない気持ちになった頃、やっと返信が届いた。

『そうか……時期的にもう少し様子を見る必要があると思うけれど、念のために体調には気をつけるんだよ。冷やしたりしないように』

何のことか分かってくれている……そして自分を気遣ってくれている。
そのことだけで嬉しかった。

先ほど良介に掛けられた言葉とは大きく違っていた。
遠く離れてはいるけれど、結城の優しさが伝わって来る。

(もう少し様子を見る、か……)

いくら気に病んでいても結果に全く影響がないことは、長い不妊期間に痛いほど経験している。
ただ、時を待つしかない。
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