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それを、口にすれば
第9章 けれど、愛してる
「かわいいグラス……。それはワインですか?」

「そう、ホットワインだよ。飲んでごらん。現地の取引先の人間にレシピを教わったんだ。ガラス工房で見つけたグラスも味があるだろう?」

「ホットワイン……私、初めてです」

目の前にあるグラスは厚みのあるガラス製で、いかにも手作りといった感じの趣のものだ。

一つには普通の赤ワインが入っていて、それは結城のものだろう。
そしてもう片方には赤ワインと、輪切りのオレンジと……。

「八角に……シナモン?!」

複雑な香りはここからしていたのだ。
そこには星形の八角が浮かび、まるでマドラーのようにスティック型のシナモンが浮かんでいて、見た目もとても可愛らしい。

見たことのない飲み物に、恐る恐るといった感じで口にしてみると……ほんのり温かいそれは、甘くてとても飲みやすかった。

「おいしい……!」

「はちみつを入れてあるからね。優雨でも飲みやすいだろう? 冷え性にも利くから、寝る前に飲むといい」

冷え性だなんて、そんなことまで覚えていてくれたんだ……。
良介との荒んだ会話に慣れていた優雨は、涙が出てしまいそうだった。

「あと、優雨はシナモンも好きだっただろう」

シナモン……?
大好きだけれど、そんな話をいつしただろうか。

怪訝そうな表情の優雨に、結城はワインを口にしながら何でもないことのように語り出した。
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