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しあわせのカタチ
第6章 しあわせのカタチ
温かくて優しい。

ずっと、ずっとこのまま、この腕に抱かれていたい…。



「…ん」

…。
え、何。
どこ。

ふかふか…。
ベッド…?

遠くの方で水が流れる音が聞こえる。

嫌だ。
逃げなきゃ。
早く、早く、早く…。

心が焦るだけ。
身体は言うことを聞いてくれない。

ガチャと扉が開く。

やだ。
誰。
こないで…。

足音がだんだん近付いてくる。

やだ…ーッ。
私はぎゅっと目を瞑った。

「気がついた?」
手が触れる。
「ーッ…嫌っ」
ガクガクと震えて言葉にならない。

「大丈夫」
震える手をぎゅっと握る手。
「もう、大丈夫だから」
強く握ってくれる手。

その手は、温かくて、優しくて、…。

「……ーっ……」
涙が止まらなくて、顔はよく見えないけど。
その手を、私は知ってる。

「和也くん…っ」
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