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伝わらない想い
第7章 素直な気持ち
「茜さ...」
そこまで言いかけて、大きなつぶらな瞳に見つめられていることに気付き、すぐに言い換える。
「茜ちゃんは、純とどこで出逢ったの?」

「あ...私たちは職場が一緒で...」

ここで飲む純は今までのことを考えると本当に滅茶苦茶だった。
だけど、茜ちゃんと出逢ってから変わったと思う。
あの純が本気になったただ一人の女の人...。

「幸せ?」

「ん...そうだなぁ…」
今までにないとろけそうな顔を見せながらそういう茜ちゃんは言葉にしなくてもとても幸せそうだった。

「私のことより、蘭ちゃんは?」

「え...?私は...」

何もかも見透かしてるような顔。
茜ちゃんの目線が陸の方を向く。
「好き、なんだよね」

「...うん」
なぜか、彼女の前では素直になれた。

「あの人、陸さんの元カノなんだってね」

「うん」

「私は...あの人とも初めて会ったし、蘭ちゃんとも今日が初めてみたいなものだけど、それでも...蘭ちゃんを応援するよ」
とても力強い瞳。
こんなにも気持ちが瞳に表れる人と出逢ったことがない。

「でも、私は...」

「蘭ちゃんの想い、伝わると良いね」

茜ちゃんもきっと私には分からない辛い想いをいっぱいしたんだろう。
それでも、素直になって想いが伝わって、今こんなにも幸せそうで...。

「...ありがと」
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