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伝わらない想い
第9章 伝えたい想い
「お客さん、そういうの困りますから」

二人組に絡まれている蘭を助けようと席を立った時、マスターが男の腕を取るのが見えた。

「あ、...じゃあ、これ....」
マスターの目が本気でしどろもどろになった男たちは、さっさとお会計を済ませてバタバタと出て行った。

「あそこはお前が行くべきだろ」
目の前で酒を飲みながら純が言う。

いや、行こうとしたんだよ。
一歩遅かっただけで...。

そういうとこがダメなんだよな。俺は。

相変わらずのダメさに自分が自分で嫌になる。

「ま、そこがお前らしいけどな」
ははっと軽く笑われて、更に凹んだ。
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