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伝わらない想い
第9章 伝えたい想い
やだ。
怖い。

何?

誰?

....ふたりがかりで部屋の中へと引き摺り込まれた。

どれだけ抵抗しても適わなくて、涙が滲む。

「泣かなくて良いよ」

「優しくしてあげるから」

床上に倒され、馬乗りになって身体の自由を奪われる。

やだ....っ。

「んっ....っ」
塞がれていた手を離された瞬間、違うもので口を塞がれた。

それが人の唇だと気付くのに少し時間がかかる。

「んっ、ん....っ...」
顔を振って抵抗する。

「大人しくしろって」
バシッと大きな手が頬に激しく当たり、じんじんと痛みが広がった。

「....っ」

「蘭ちゃんがいけないんだよ」

「大人しく連絡先を教えてくれてたらこんな乱暴なことしなかったのに…」

窓からほんのりと月明かりが入り込む。

そこに浮かんだのは、あのお店で絡んできた2人組の顔だった。
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