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伝わらない想い
第9章 伝えたい想い
ー......。

ぽかぽかと暖かい日差しがふりそそぐ。

少し高めの青い空に白い飛行機雲がすーっと走っているのが見えた。
眩しい…。

俺は目を細めた。

その時、大きな音楽が鳴り響き、扉が開く。

そこには、ついさっきまで厳粛な雰囲気の中、愛を誓ったふたりが笑顔で立っていた。

「おめでとう」
「幸せにね」
口々に周りにいる人が声を上げる。

それに応えるようにふたりは深々と頭を下げた。

さっきはなんとか我慢したけど、純のあの姿...やっぱり笑える。

タキシードが似合ってない訳では無い。
むしろ似合い過ぎてて、同性の俺から見てもカッコイイ。

けど、プランナーの人の指示に従いながら動いているあいつの姿が、普段の俺様な純とはまるで違って...俺は思わず吹き出した。
「陸、何ひとりで笑ってんのよ」
すぐ隣に立つ蘭に咎められる。

「いや、純が人の言うこと聞いてると思うと笑えてきて...」

「まぁ、ね…」
蘭もクスクスと笑った。
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