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第2章 面談　■早耶香編①■

　ともかく、二人の間に、異性であることを意識させる会話は一度も発生したことは、これまでただの一度もなかった。

　そんな仲だからこそ、見知らぬ人の前よりも遥かに、裸を見せるのが恥ずかしいと感じたのだ。

　もはや「あり得ない」とまで思うほど強く。

　藪下は頷きながら答えた。

「うん、確かに。そして、魚谷と皆藤の仲が良いことは私も知っているし、そんな相手の前でヌードになることに抵抗を感じる気持ちも分かる。だからこそ、それだけのモデル代を出そうと言っているわけだ。魚谷にモデル経験が無いことや、そういう色々な不都合を我慢してもらうことを全て含めると、そのくらいの金額は必要だろうとな」