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ある日嫁になりました
第1章 1序章
「えー、でもその人酷いですね。霧島さんを切るなんて。
理由は何ですか?」

「・・・」
霧島は明らかにどんよりとした様子で、周りに重い空気が見えるようだ

「あっ、話したくないなら大丈夫ですよ!
朝ごはんでも作ります?」
だが、霧島はぽつりと話始めた。あまりにもそれが小さい声で危うく聞き逃しそうになった
「・・・いや、俺はそれでも良いといったんだ。」
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「お前が、他に男がいても俺は振り向いてくれるまで待つから」

「どのくらい?」

「いつまでも」

「本当に?」

「あぁ」

「・・・はぁー、わかった。もらってあげる」
ひょいと小さな箱の中から指輪が取られた

「あ、ありがとう」

彼はふわりとやわらかい笑みを浮かべた、そして指輪を掲げて眩しそうに見つめた
その姿は誰もが見とれそうなほどに美しかった

「なーんて、言うわけねぇだろ」
しかし残酷にも現実は甘くない。

かかげられた指輪が彼女の手から離れまっすぐ下に落ちた

「こんな指輪もらったって、この俺が嬉しいと思ってるの?
他にもいろいろ居るの、医者とか社長とかこんなの目じゃないくらいにね
君といつまでも一緒に居たのは、ただの性欲を満たすためだけ。
身体の相性は他の誰より良かったからね。
なのに勘違いして、ばっかじゃないの!気持悪い、結婚?無理無理無理ばっかじゃねぇの!
あー、こんな店でもうんざりしてるのに。こんな重い愛なんて吐き気がする
もう、帰るし君とは会うつもりもないから。」

きっと他の男に買ってもらった高そうなバッグをもって彼女は立ち上がり俺に背なかを向けて去っていった

周りの視線も痛いが、心はもっとぐしゃぐしゃになりそうなほどに痛かった

落とされた指輪を拾って、箱に戻し
頼んだ食事は途中のままその店を後にした






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