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ある日嫁になりました
第1章 1序章
「連絡先とか聞こうとしましたよ、けどその時携帯なんてもたせてもらえませんでしたし。
やっと卒業して先輩から連絡先貰おうと思ったらまさかのインフルエンザで休んでて!」

先輩は俺に必死な告白に至って冷静に頬杖を付きながら聞いていた
「で、俺の事をストーカーしてた・・・と、てかどうやって場所とか特定したわけ?」

「えっ、ひたすら毎日駅で先輩らしき人を待っていました。」

「いや、そしたら声かければよかっただろ」

「・・・だって彼女といるとこなんて会えなかったんですよ」

泣きそうに顔を歪めてうつ向く、その語尾は消えそうだった

これでもこいつなりに怖かったんだろう、その気持ちはわかる
「お前、馬鹿だなぁ。そんなん面倒なことしなくたって拒否しなかったよ」
頭に手をのせてくしゃっと撫でる。
肩がぴくっと動き少し縮こまって、こちらも少し頬が弛んだ

「そのようで、なんかこっちも拍子抜けですよ。あっでも、なんで霧島さんの彼女(彼氏)さんは女装なんて」
晴輝は顔を軽く上げて上目使いでこちらを伺う

「あー、あれは半分俺、半分そいつの趣味だったんだけど、女顔負けの変装で何かと都合がよくてな」

「へぇ、霧島さんにそんな趣味が」

「いや、俺は見る専だからな、こんながたいのいい奴の女装なんか吐くからな、でまぁ、かれこれ3年は付き合ってたんだよ。」

「因みに手はだしたんですか?」

「あぁ?・・・出しはしたけど・・・くっ」

霧島は顔をしかめて今にも泣きそうだ
「え、ええ!?な、ななんか傷つきました?」

「・・・こだっ・・・」

「あいつ!相当の猫だったんだよ!」
霧島は糸が切れたようにその頬を涙が伝い、俺の胸に泣きついた
それだけで嬉しかったが、とりあえず先輩をはがす。
このままだと保っている理性が切れそうだ

「俺以外にもいっぱいボーイフレンドがいてさぁ」

「それは・・・」
晴輝は肩を震わせて正座している足の上に置いている拳を握る

「なぁ?酷い話だろ?!」

「先輩、それはご愁傷さまです!」
晴輝は花が咲いたような笑顔だった、やはり本心を隠すことは無理だった。
「何で嬉しそうなんだよ!」
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