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恋の行方を探してください【完結】
第20章 【二十話】女嫌いな三男
そう思えるのはきっと、『人生は一度きり、楽しまないと損!』という気持ちでいるからかもしれない。そう思うと、美哉も真那を見習わなければと思う。
思うけれど……。
「そう思えるって、とっても素敵です」
「うん、そうね。仕事も天職だったと思ってるし、おかげでこうして美哉さんと知り合うことができたし、ほんと、よかったと思ってる」
「真那さん……」
真那は紙カップに入ったブラックに口を付けた後、口を開いた。
「余計なお世話かもしれないけど、美哉さんと三男、お似合いよ」
「……え、嫌です!」
「まー、美哉さんの気持ちも分からないでもないけど、三男は本気で美哉さんに惚れてるわよ」
「そんなこと、ないと思います……」
「あれの大学の時のあだ名、なにか知ってる?」
唐突に話が変わったことに美哉は瞬きをしたが、真那は気がついていながら続けた。
「女嫌いの三男」
「…………」
「ほら、あれでも小早川の三男でしょう? どうにかして取り入ってと考えるヤツの多いこと、多いこと」
まだそういった光景は目にしてないけれど、だいたいの想像はつく。
「わたしなんかは関わるとろくなことにならないと思って、避けてたんだけど、特に玉の輿に乗っていい思いをしようとする女性がひっきりなしに近寄ってたんだけど」
そのときのことを思い出したのか、真那は少し笑った。
「あいつ、女が近寄るとブリザード並の視線を向けて、それはそれはすごかったのよ。しかも、常にいい男を侍らせててさ。ま、今思えば、あれは御庭番だったわけだけど」
「……へ?」
「和多田さんと村垣さん。馬場さんもたまにいたけど、彼は彼女だけど、それは学内の人たちはみんな知ってて、だから三男、あっち側の人なんじゃないかとも言われてた」
「……あっち側?」
「男の人しか愛せないってヤツよ」
「えっ、そうだったんですかっ?」
「いやいや、違うでしょ。あくまでも噂。じゃなきゃ、美哉さんにあんなにべたべたしないから」
思うけれど……。
「そう思えるって、とっても素敵です」
「うん、そうね。仕事も天職だったと思ってるし、おかげでこうして美哉さんと知り合うことができたし、ほんと、よかったと思ってる」
「真那さん……」
真那は紙カップに入ったブラックに口を付けた後、口を開いた。
「余計なお世話かもしれないけど、美哉さんと三男、お似合いよ」
「……え、嫌です!」
「まー、美哉さんの気持ちも分からないでもないけど、三男は本気で美哉さんに惚れてるわよ」
「そんなこと、ないと思います……」
「あれの大学の時のあだ名、なにか知ってる?」
唐突に話が変わったことに美哉は瞬きをしたが、真那は気がついていながら続けた。
「女嫌いの三男」
「…………」
「ほら、あれでも小早川の三男でしょう? どうにかして取り入ってと考えるヤツの多いこと、多いこと」
まだそういった光景は目にしてないけれど、だいたいの想像はつく。
「わたしなんかは関わるとろくなことにならないと思って、避けてたんだけど、特に玉の輿に乗っていい思いをしようとする女性がひっきりなしに近寄ってたんだけど」
そのときのことを思い出したのか、真那は少し笑った。
「あいつ、女が近寄るとブリザード並の視線を向けて、それはそれはすごかったのよ。しかも、常にいい男を侍らせててさ。ま、今思えば、あれは御庭番だったわけだけど」
「……へ?」
「和多田さんと村垣さん。馬場さんもたまにいたけど、彼は彼女だけど、それは学内の人たちはみんな知ってて、だから三男、あっち側の人なんじゃないかとも言われてた」
「……あっち側?」
「男の人しか愛せないってヤツよ」
「えっ、そうだったんですかっ?」
「いやいや、違うでしょ。あくまでも噂。じゃなきゃ、美哉さんにあんなにべたべたしないから」