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恋の行方を探してください【完結】
第26章 【二十六話】ジュエリー・コバヤカワ

由臣の案内で廊下を右に曲がり、突き当たりを左に曲がると、『デザイン部』というプレートが貼られた部屋にたどり着いた。
由臣がノックをしないで開けようとしたので、美哉は繋いでない手で手を押さえた。
「由臣さん、いくら立場上、チートだからって、礼を欠くのはよろしくないです」
「……そうか」
由臣がノックをしない代わりに美哉がして、ドアを開けると、室内を一瞥することができるくらいの広さ。部屋の一番奥に部長席。その手前には四つの机が向かい合わせに置かれていて、周りにはコピー複合機が一台にカラープリンタが一台、置かれていた。昔、一度だけお邪魔したことがあるデザイン事務所のような室内で、ホッとした。
ちなみに現在、室内には、一番奥の席の男性以外、だれもいなかった。由臣が室内に入ったところで、一番奥の席に座っていた男性がすぐに気がつき、立ち上がった。
「由臣さま、わざわざ来ていただき、申し訳ございません」
そう言って頭を下げられたので、美哉も会釈を返した。
「話を聞きたくても、出てこられないのだから、俺たちが来るしかないだろう?」
それはそうだが、ここはおいそれと入れる場所ではないわけで……。さすがチートカード、と美哉が思っていると、男性の視線が由臣から美哉へと移った。
「ところで、由臣さまだけかと思っていたのですが、彼女は?」
そうですよねー、ここに簡単に入り込めないのは分かっているから、その疑問ももっともだと思います。
由臣が口を開く前に、美哉が一歩前に出て、頭を下げた。
「宇佐見美哉と申しまして、由臣さんの助手を務めています」
「それと、俺の奥さん」
「違いますって!」
「そうですか。いつの間にご結婚を。これはおめでたい」
由臣がノックをしないで開けようとしたので、美哉は繋いでない手で手を押さえた。
「由臣さん、いくら立場上、チートだからって、礼を欠くのはよろしくないです」
「……そうか」
由臣がノックをしない代わりに美哉がして、ドアを開けると、室内を一瞥することができるくらいの広さ。部屋の一番奥に部長席。その手前には四つの机が向かい合わせに置かれていて、周りにはコピー複合機が一台にカラープリンタが一台、置かれていた。昔、一度だけお邪魔したことがあるデザイン事務所のような室内で、ホッとした。
ちなみに現在、室内には、一番奥の席の男性以外、だれもいなかった。由臣が室内に入ったところで、一番奥の席に座っていた男性がすぐに気がつき、立ち上がった。
「由臣さま、わざわざ来ていただき、申し訳ございません」
そう言って頭を下げられたので、美哉も会釈を返した。
「話を聞きたくても、出てこられないのだから、俺たちが来るしかないだろう?」
それはそうだが、ここはおいそれと入れる場所ではないわけで……。さすがチートカード、と美哉が思っていると、男性の視線が由臣から美哉へと移った。
「ところで、由臣さまだけかと思っていたのですが、彼女は?」
そうですよねー、ここに簡単に入り込めないのは分かっているから、その疑問ももっともだと思います。
由臣が口を開く前に、美哉が一歩前に出て、頭を下げた。
「宇佐見美哉と申しまして、由臣さんの助手を務めています」
「それと、俺の奥さん」
「違いますって!」
「そうですか。いつの間にご結婚を。これはおめでたい」

