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恋の行方を探してください【完結】
第30章 【三十話】大量のメール
*
由臣と美哉は、小早川食品の事務棟へ入った。
入ってすぐ右側に小窓があり、そこが受付になっているようだった。由臣はそこに行くと、呼び鈴を押した。ちりん……と軽やかな音がして、すぐに女性が寄ってきた。と思ったら、見覚えのある人物だった。
「高木小夜さん」
小夜は驚いた表情をしていたが、小窓を開けた。
「あ……こんにちは。今日はどうされたんですか」
「調べ物をしていたら、ここで働いているカナヤマという人物に行き着いたので、その人に会いに来たんだが」
「金山さん……ですか」
「高木小夜さん、カナヤマという人物を知っているのか」
「えぇ、知っていますけど、彼女はこの事務棟にはいませんよ」
「いない?」
「隣の工場エリアで働いていますから。検品課だったと思います」
「そうなのか、行ってみる」
由臣はそう告げるとそのまま行こうとしたので、美哉は袖を引っ張って引き止めた。
「由臣さん、高木さんにまだ言うことがあるでしょう!」
「……なにをだ」
「教えてもらったのに、お礼の一言もなしですか!」
「……あぁ。ありがとう、助かった」
「どういたしまして」
由臣は振り返らないままでお礼を口にしたので、そのことに対して突っ込もうとしたけれど、それよりも早く由臣が歩き出したため、美哉は慌てて小夜に頭を下げた。
「すみません、礼儀がなってなくて」
「いいえ。きちんと会釈はしていたわ」
「それだけじゃ駄目だと思うのですよ!」
「美哉、置いていくぞ」
「あ……! 呼ばれているので、私たち、これで失礼します。それでは改めて、ご報告をしますね」
「はい、お待ちしています」
由臣と美哉は、小早川食品の事務棟へ入った。
入ってすぐ右側に小窓があり、そこが受付になっているようだった。由臣はそこに行くと、呼び鈴を押した。ちりん……と軽やかな音がして、すぐに女性が寄ってきた。と思ったら、見覚えのある人物だった。
「高木小夜さん」
小夜は驚いた表情をしていたが、小窓を開けた。
「あ……こんにちは。今日はどうされたんですか」
「調べ物をしていたら、ここで働いているカナヤマという人物に行き着いたので、その人に会いに来たんだが」
「金山さん……ですか」
「高木小夜さん、カナヤマという人物を知っているのか」
「えぇ、知っていますけど、彼女はこの事務棟にはいませんよ」
「いない?」
「隣の工場エリアで働いていますから。検品課だったと思います」
「そうなのか、行ってみる」
由臣はそう告げるとそのまま行こうとしたので、美哉は袖を引っ張って引き止めた。
「由臣さん、高木さんにまだ言うことがあるでしょう!」
「……なにをだ」
「教えてもらったのに、お礼の一言もなしですか!」
「……あぁ。ありがとう、助かった」
「どういたしまして」
由臣は振り返らないままでお礼を口にしたので、そのことに対して突っ込もうとしたけれど、それよりも早く由臣が歩き出したため、美哉は慌てて小夜に頭を下げた。
「すみません、礼儀がなってなくて」
「いいえ。きちんと会釈はしていたわ」
「それだけじゃ駄目だと思うのですよ!」
「美哉、置いていくぞ」
「あ……! 呼ばれているので、私たち、これで失礼します。それでは改めて、ご報告をしますね」
「はい、お待ちしています」