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恋の行方を探してください【完結】
第45章 【四十五話】突然の別れ

由臣の手には、確かに勝千代が取り戻してくれたカバンがあった。
あまりの用意周到さに美哉は言葉を失ったけれど、次には怒りがわき上がってきた。
勝手にここに連れ込んだ挙げ句、処女を奪い、挙げ句の果てには勝手に与頭とかにしておきながら、ここから出て行けとは、どういうことなのだ。腹が立って仕方がない。
美哉はずっと背を向けている由臣の元まで歩いて行き、その手にあるカバンを奪い取ると、腕をつかんで振り返らせた。
そこには、違和感を覚えたけれど、やはり間違いなく由臣が立っていて、あまりの勝手さにカーッと頭に血が上ってきた。
美哉は拳を握ると、思いっきり由臣の頬を殴った。ごきっという音が部屋に響いた。
「っ!」
「ふざけんじゃないわよ! 私はあんたの玩具なんかじゃないんだから! それに、別れようって言うけれど、付き合ってもないんだから、別れられるわけ、ないでしょう!」
美哉はカバンから手を離して、反対側にもパンチを入れた。こちらも同じく音を立てて、見事に頬へ拳が沈み込んだ。
「短い間でしたけど、お世話になりましたっ」
美哉はそれだけ告げると、床に落ちたカバンを拾い、大股で事務所を出て行った。
あまりの用意周到さに美哉は言葉を失ったけれど、次には怒りがわき上がってきた。
勝手にここに連れ込んだ挙げ句、処女を奪い、挙げ句の果てには勝手に与頭とかにしておきながら、ここから出て行けとは、どういうことなのだ。腹が立って仕方がない。
美哉はずっと背を向けている由臣の元まで歩いて行き、その手にあるカバンを奪い取ると、腕をつかんで振り返らせた。
そこには、違和感を覚えたけれど、やはり間違いなく由臣が立っていて、あまりの勝手さにカーッと頭に血が上ってきた。
美哉は拳を握ると、思いっきり由臣の頬を殴った。ごきっという音が部屋に響いた。
「っ!」
「ふざけんじゃないわよ! 私はあんたの玩具なんかじゃないんだから! それに、別れようって言うけれど、付き合ってもないんだから、別れられるわけ、ないでしょう!」
美哉はカバンから手を離して、反対側にもパンチを入れた。こちらも同じく音を立てて、見事に頬へ拳が沈み込んだ。
「短い間でしたけど、お世話になりましたっ」
美哉はそれだけ告げると、床に落ちたカバンを拾い、大股で事務所を出て行った。

