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恋の行方を探してください【完結】
第51章 【五十一話】好き
 と、吟太は前屈みでそんなことを言ってきた。説得力がないな、と美哉は思ったけれど、吟太と伊吹は藪田を抱えてとっとと部屋を出て行った。

「それで、小早川」
「あぁ、明楽紫紺か。美哉が世話になったな」
「おまえが知っているかどうかは知らないが、オレも御庭番だ。美哉に忠誠は誓った」
「美哉、おまえ」
「やったわよ! なによ、文句あるのっ? みんなの前で無理矢理犯すようなことをさせておいて、今さら文句は言わせないわよ!」
「いや、よくやった。明楽は俺の母のせいで亡くなったと聞いていたから、謝りたかったんだ。申し訳なかった。それなのに、美哉を保護してくれたばかりか、美哉の御庭番になってくれるなんて……」
「あんたに謝られても、困るんだが。それに、母から聞いたら、ずいぶんとあんたの親父さんに援助してもらっていたみたいだからな」
「それは当たり前のことだ」
「とりあえず、また来る」
「あぁ、連絡先を」
「要らない。古坂とかいうヤツから聞いている」
「古坂が? あいつ……明楽を見つけていたのに、報告してなかったのか」
「オレが拒否したからな」
「……ったく」

 由臣がため息を吐いたタイミングで、紫紺は美哉に手を振り、部屋を出て行った。

「さて、美哉」
「なんですか」
「お仕置き、だな」
「え、なんでですか!」
「偽物を見抜けなかったから」
「いや、ちょっと待って! あんなにそっくりだったら、見抜けるわけないじゃない!」
「俺だったら美哉のそっくりさんと美哉本人、見分けられるぞ」
「私のそっくりさんなんて、いるわけないじゃないですか!」
「世の中には自分にそっくりな人間が三人いると言われているからな」
「でも、そういえば自分そっくりな人間に会ったら、死ぬってのは」
「それはドッペルゲンガー。それとこれとは違う話だ」

 由臣はそう言うと、先ほどまで藪田が寝転がっていたベッドとは違う方に美哉を押し倒した。

「さて、どうやってお仕置きしようかな」

 そういうなり、由臣は美哉の唇を塞ぎ、息が苦しくなるほどの深い口づけをしてきた。口内に舌が入り込み、くちゅくちゅという水音がして、飲み込めないほどの唾液を流し込まれ、美哉は喘いだ。

「っふ、はっ」
「美哉はヤラシイな」
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