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恋の行方を探してください【完結】
第7章 【七話】鳥肌が立つ理由
美哉は鳥肌が立って痛いのを我慢して、未だに頭を下げている勝千代の元へと行った。
「あの、和多田さん」
「勝千代、とお呼びください」
「え……と、はい。勝千代、お願いだから頭を上げて。由臣さんとするくらいなら、勝千代とした方がいいから。それから、村垣さんも」
「吟太でいい」
「吟太も、私でいいの?」
「美哉ちゃんに捧げたいんだ、だからいい! むしろ、美哉ちゃん以外は嫌だ!」
何度目になるのか分からないけれど、美哉は心の中で「なにこれ」と呟いた。
「分かりました。二人の気持ちを受け入れます。だから、勝千代も立ってくれませんか?」
「分かった」
ようやく土下座を止めて、立ち上がってくれた勝千代が横に並ぶと、美哉より頭一つ分ほど大きくて、圧倒された。
由臣も美哉の頭一つ分大きいけれど、細身だからそれほど圧迫感はない。しかし、勝千代は由臣と比べるとがっしりしているので、少しだけ怖いと思ったけれど、ふと気がついたことがあった。
「鳥肌……」
「どうした? 立ってるのか?」
「ううん、逆。さっきまであんなに痛かったのに、今は平気」
「慣れたからじゃないのか?」
慣れたから立たなくなる、というのは、今までの経験上、ない。しかも、初対面でまったく鳥肌が立たなかった由臣の存在も驚きなのに、さっきまで鳥肌が立っていた相手が急に平気になるのも、不思議でならない。
「でも、鳥肌立たなくなったのなら、いいじゃないか」
「そうですけど」
鳥肌が立つと、皮膚が痛いから立たない方がいいのだけど、それでも、どうしてだろうと不思議でならない。
「そもそも、どうして男相手に鳥肌が立つんだ」
「……分かりません。昔から不思議に思っているのですが、なんででしょうか」
美哉もそのことについては、ずっと不思議に思っていた。
しかし、とりたててきっかきねなりそうなものは……。
「あ」
「どうした」
「この鳥肌、たぶん原因は父です」
「は?」
「父はすでに亡くなってますが、娘の私が言うのもなんですが、イケメンでした」
「ほう?」
「モテモテでしたけど、母一筋でした」
「それがどう鳥肌とつながってくる?」
「そんな父を見て育ったので、男性って、この人と決めた女性を一生かけて愛し続けると思いこんでたんです」
「あの、和多田さん」
「勝千代、とお呼びください」
「え……と、はい。勝千代、お願いだから頭を上げて。由臣さんとするくらいなら、勝千代とした方がいいから。それから、村垣さんも」
「吟太でいい」
「吟太も、私でいいの?」
「美哉ちゃんに捧げたいんだ、だからいい! むしろ、美哉ちゃん以外は嫌だ!」
何度目になるのか分からないけれど、美哉は心の中で「なにこれ」と呟いた。
「分かりました。二人の気持ちを受け入れます。だから、勝千代も立ってくれませんか?」
「分かった」
ようやく土下座を止めて、立ち上がってくれた勝千代が横に並ぶと、美哉より頭一つ分ほど大きくて、圧倒された。
由臣も美哉の頭一つ分大きいけれど、細身だからそれほど圧迫感はない。しかし、勝千代は由臣と比べるとがっしりしているので、少しだけ怖いと思ったけれど、ふと気がついたことがあった。
「鳥肌……」
「どうした? 立ってるのか?」
「ううん、逆。さっきまであんなに痛かったのに、今は平気」
「慣れたからじゃないのか?」
慣れたから立たなくなる、というのは、今までの経験上、ない。しかも、初対面でまったく鳥肌が立たなかった由臣の存在も驚きなのに、さっきまで鳥肌が立っていた相手が急に平気になるのも、不思議でならない。
「でも、鳥肌立たなくなったのなら、いいじゃないか」
「そうですけど」
鳥肌が立つと、皮膚が痛いから立たない方がいいのだけど、それでも、どうしてだろうと不思議でならない。
「そもそも、どうして男相手に鳥肌が立つんだ」
「……分かりません。昔から不思議に思っているのですが、なんででしょうか」
美哉もそのことについては、ずっと不思議に思っていた。
しかし、とりたててきっかきねなりそうなものは……。
「あ」
「どうした」
「この鳥肌、たぶん原因は父です」
「は?」
「父はすでに亡くなってますが、娘の私が言うのもなんですが、イケメンでした」
「ほう?」
「モテモテでしたけど、母一筋でした」
「それがどう鳥肌とつながってくる?」
「そんな父を見て育ったので、男性って、この人と決めた女性を一生かけて愛し続けると思いこんでたんです」