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恋の行方を探してください【完結】
第9章 【九話】ナンバーツーってなんの話ですか!
先ほどまでポンポンと言い合いをしていたのに、いきなり黙った美哉を面白そうに見ていた由臣は、美哉のその一言に片眉を上げた。
「どうした」
「いえ、なんでも」
「なんでもないことないよな? どうしていきなりそんな耳まで真っ赤になっている」
「え、や、赤くなってなんてっ!」
由臣に指摘されて、美哉はそこで初めて自分が真っ赤になっていることが分かった。耳の先まで熱い。
「鳥肌が立たなくなる理由がなんとなく分かって、ちょっと困惑していたんです」
「困惑するような内容だったのか」
由臣はそういうなり、持っていた資料を机の上に置くと立ち上がり、大股で美哉の目の前までやってきた。
最初からだったのだけど、これだけ近寄られても、やはり鳥肌が一切立たない。
でも、美哉からしてみれば、好きというより、強引だし、俺様だし、なによりも御曹司ということで、嫌いな部類に入る。
それと同時に、少し前に唐突に出てきた弓月当麻のことを思い出した。彼のことは遠目でしか見たことがなかったが、一目見た瞬間、痛いと叫びたいほど鳥肌が立った。
同じ御曹司に違いないのに、どこがどう、違うのだろうか。
「……変人具合?」
「なんの話だ」
「いえ。やっぱりこれだけ近寄られても、鳥肌が立たないのが不思議で……」
「そんなの、簡単な話だ」
「へ?」
由臣は美哉の目の前に立ち、それから少し腰をかがめて耳元で囁いた。
「セックスしたかしてないかの違いだろう」
「はいっ?」
「あぁ、俺とはする前から鳥肌が立たなかったんだっけ? それなら、愛だ、愛」
「……御庭番の皆さん相手には愛を感じますが、由臣さん相手には愛どころか、嫌いという感情しか湧いてこないんですけど」
「どうした」
「いえ、なんでも」
「なんでもないことないよな? どうしていきなりそんな耳まで真っ赤になっている」
「え、や、赤くなってなんてっ!」
由臣に指摘されて、美哉はそこで初めて自分が真っ赤になっていることが分かった。耳の先まで熱い。
「鳥肌が立たなくなる理由がなんとなく分かって、ちょっと困惑していたんです」
「困惑するような内容だったのか」
由臣はそういうなり、持っていた資料を机の上に置くと立ち上がり、大股で美哉の目の前までやってきた。
最初からだったのだけど、これだけ近寄られても、やはり鳥肌が一切立たない。
でも、美哉からしてみれば、好きというより、強引だし、俺様だし、なによりも御曹司ということで、嫌いな部類に入る。
それと同時に、少し前に唐突に出てきた弓月当麻のことを思い出した。彼のことは遠目でしか見たことがなかったが、一目見た瞬間、痛いと叫びたいほど鳥肌が立った。
同じ御曹司に違いないのに、どこがどう、違うのだろうか。
「……変人具合?」
「なんの話だ」
「いえ。やっぱりこれだけ近寄られても、鳥肌が立たないのが不思議で……」
「そんなの、簡単な話だ」
「へ?」
由臣は美哉の目の前に立ち、それから少し腰をかがめて耳元で囁いた。
「セックスしたかしてないかの違いだろう」
「はいっ?」
「あぁ、俺とはする前から鳥肌が立たなかったんだっけ? それなら、愛だ、愛」
「……御庭番の皆さん相手には愛を感じますが、由臣さん相手には愛どころか、嫌いという感情しか湧いてこないんですけど」