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恋の行方を探してください【完結】
第12章 【十二話】詩的な依頼
 そう言うと、由臣はふかーいため息を吐くと、宙をにらみつけた。

「一人娘ということもあり、甘やかされて育ったせいか、これがまたひどい性格でな……。あれが将来、小早川のトップに立つと思うと、気が重くて嫌になる」
「でも、他に候補者はいないのでしょう?」
「そうだ。だからあれを制御できるような、できる婿を取らないといけないんだが……な」

 これだけ大きなグループになれば、後継者の心配をしなくてはならないのか、なんて美哉は他人事だった。

「となると、その方が与頭になるってことですよね?」
「いや、なれない」
「はいっ? だって、当主の伴侶……」
「あぁ、そうなんだが。長兄の子どもが当主だが、あれが経営とかできるとは思えない。となると、やはり婿頼みなわけだ。となると、ほぼ当主と与頭は同時には無理だ」

 なんだか色々と理由を付けて、美哉に与頭をさせて、将来的には結婚まで視野に入れていることに腹が立った美哉は、由臣をにらみつけた。

「にらんでも無駄だぞ。俺にはただかわいいだけだし、挑発されているとしか思えない」
「挑発しているんです!」
「ほお? 美哉は朝から元気だな」

 由臣は椅子から立ち上がると、美哉が掛けているソファの横にどかりと座った。

「へっ?」
「高木小夜が来るのは十時だ。まだ時間はあるな。隣の寝室へ行くか」
「はいっ?」
「昨日の夜は我慢したからな。朝なら体力もあるし、一発ヤルか」

 由臣はそういうなり、美哉の肩を抱き寄せると、唇を重ねてきた。

「んんっ!」
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