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恋の行方を探してください【完結】
第13章 【十三話】コードネーム:うさ耳ってなんですか
美哉が由臣の前に紅茶を出して、それから下がろうとしたところ、がっしりと手首を掴まれた。驚くほど冷たい指先に、美哉は思わず由臣の顔を見たけれど、いつもと変わらないどころか、いつも以上に不遜な表情を浮かべてきた。
「あの……、まだ、なにか?」
「おまえは俺の助手だろう。一緒に話を聞け」
「え……あ、はい」
そういえば、そんなことを言われていたと思い出し、美哉は由臣に促されるまま、ソファに腰掛けた。柔らかなソファは、かなり身体が沈み込む。
「あー、彼女はわたしの助手で、コードネームはうさ耳という」
「…………」
コードネームだとか、うさ耳だとか、なんの話だ! と思ったけれど、依頼者の前であったので、ぐっとこらえた。
それだけだったらまだ良かったのだが、由臣と距離を取って座ったにもかかわらず、ぐいっと近寄ってきた。
「ちょっと!」
小さく抗議の声を上げたが、由臣はしれっとして、さらに近寄ってきた。どうしてこんなに広いソファなのに、ここまで近寄らないといけないのよと言おうとしたところで、美哉は気がついたことがあった。
先ほど、由臣に手首を掴まれたのだが、指先は氷のように冷たいだけでも驚きだったのだけど、指先が小気味に震えていた。自信満々な笑みを浮かべているクセに、どうして震えているのだろうか。そういえば、顔色も若干悪いような気がする。
「由臣さん、調子でも悪いんですか」
小声でたずねると、違うと首を振られた。
「それで、高木小夜さん」
由臣は話をそらすようにして、依頼者に声を掛けた。やはり彼女が高木小夜のようだ。
グレイのスーツに、レースのついた白いブラウスに、スーツとセットのタイトスカート。少し茶色く染めた髪はきれいに一つにまとめて、そつのない大人の女性といった感じだった。
由臣に名前を呼ばれて、高木小夜は顔を上げた。
そして、由臣にべったりとひっついているというより、由臣がひっついていたのだが、横に座っている美哉を見て、目を見開いた。
「聞いていらっしゃらなかったようなので、もう一度、紹介しますね。彼女はわたしの助手の、コードネーム:うさ耳です」
「コードネーム……」
「あの……、まだ、なにか?」
「おまえは俺の助手だろう。一緒に話を聞け」
「え……あ、はい」
そういえば、そんなことを言われていたと思い出し、美哉は由臣に促されるまま、ソファに腰掛けた。柔らかなソファは、かなり身体が沈み込む。
「あー、彼女はわたしの助手で、コードネームはうさ耳という」
「…………」
コードネームだとか、うさ耳だとか、なんの話だ! と思ったけれど、依頼者の前であったので、ぐっとこらえた。
それだけだったらまだ良かったのだが、由臣と距離を取って座ったにもかかわらず、ぐいっと近寄ってきた。
「ちょっと!」
小さく抗議の声を上げたが、由臣はしれっとして、さらに近寄ってきた。どうしてこんなに広いソファなのに、ここまで近寄らないといけないのよと言おうとしたところで、美哉は気がついたことがあった。
先ほど、由臣に手首を掴まれたのだが、指先は氷のように冷たいだけでも驚きだったのだけど、指先が小気味に震えていた。自信満々な笑みを浮かべているクセに、どうして震えているのだろうか。そういえば、顔色も若干悪いような気がする。
「由臣さん、調子でも悪いんですか」
小声でたずねると、違うと首を振られた。
「それで、高木小夜さん」
由臣は話をそらすようにして、依頼者に声を掛けた。やはり彼女が高木小夜のようだ。
グレイのスーツに、レースのついた白いブラウスに、スーツとセットのタイトスカート。少し茶色く染めた髪はきれいに一つにまとめて、そつのない大人の女性といった感じだった。
由臣に名前を呼ばれて、高木小夜は顔を上げた。
そして、由臣にべったりとひっついているというより、由臣がひっついていたのだが、横に座っている美哉を見て、目を見開いた。
「聞いていらっしゃらなかったようなので、もう一度、紹介しますね。彼女はわたしの助手の、コードネーム:うさ耳です」
「コードネーム……」