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恋の行方を探してください【完結】
第16章 【十六話】悪い噂
ふむ、と由臣はうなずくと、口を開いた。
「ジュエリー・コバヤカワの部長は、その噂を頼みの綱として、高木小夜さん、あなたに連絡をしてきた」
「はい。金曜日の夜に別れてからこちら、連絡を取っていなかったので、とても驚きました」
「それで、あなたはどうしました?」
「どう、とは?」
「槇英太郎さんの部屋に行きましたか?」
「ジュエリー・コバヤカワの部長と一緒に行きました。行きましたが……それがわたし、英太郎さんの部屋の鍵を持ってなくて、中に入れませんでした」
「え……?」
普通、付き合っていて、結婚の約束をしているのなら、合鍵ぐらい持っていると思っていたので、その一言は驚きだった。
「英太郎さんの部屋に行くときは一緒でしたし、お互い、仕事が忙しくて、特に合鍵は必要なかったんです」
「それで、高木小夜さん。あなたは槇英太郎さんにあなたの部屋の鍵は」
「渡そうと作りましたけど、行くときは一緒だから必要ないと言われました」
「そういう……もの、なんですか?」
「分かりません。元彼はすぐにわたしに合鍵を渡してきましたけど、その前の彼からは合鍵は預かったことがなかったです」
みんながみんな、合鍵を渡すものではないと分かったけれど、それでもどこか、不自然さがあった。
「大体、分かりました。それでは、消えた槇英太郎さんと、新ブランドのデザイン画を探しましょう」
「ありがとうございます」
「それで……今日は火曜日。金曜日までに一度、中間報告をします」
「そんなに早く分かるものですか?」
「デザイン画はともかく、槇英太郎さんの行方はつかめると思いますよ」
「ジュエリー・コバヤカワの部長は、その噂を頼みの綱として、高木小夜さん、あなたに連絡をしてきた」
「はい。金曜日の夜に別れてからこちら、連絡を取っていなかったので、とても驚きました」
「それで、あなたはどうしました?」
「どう、とは?」
「槇英太郎さんの部屋に行きましたか?」
「ジュエリー・コバヤカワの部長と一緒に行きました。行きましたが……それがわたし、英太郎さんの部屋の鍵を持ってなくて、中に入れませんでした」
「え……?」
普通、付き合っていて、結婚の約束をしているのなら、合鍵ぐらい持っていると思っていたので、その一言は驚きだった。
「英太郎さんの部屋に行くときは一緒でしたし、お互い、仕事が忙しくて、特に合鍵は必要なかったんです」
「それで、高木小夜さん。あなたは槇英太郎さんにあなたの部屋の鍵は」
「渡そうと作りましたけど、行くときは一緒だから必要ないと言われました」
「そういう……もの、なんですか?」
「分かりません。元彼はすぐにわたしに合鍵を渡してきましたけど、その前の彼からは合鍵は預かったことがなかったです」
みんながみんな、合鍵を渡すものではないと分かったけれど、それでもどこか、不自然さがあった。
「大体、分かりました。それでは、消えた槇英太郎さんと、新ブランドのデザイン画を探しましょう」
「ありがとうございます」
「それで……今日は火曜日。金曜日までに一度、中間報告をします」
「そんなに早く分かるものですか?」
「デザイン画はともかく、槇英太郎さんの行方はつかめると思いますよ」