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恋の行方を探してください【完結】
第17章 【十七話】御庭番の十八番は脅し?
そういうと、川村は深々と頭を下げてきたので、美哉もつられて頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「美哉さま、頭を上げてください。そのようなこと、もったいない」
「なにを言ってるんですか」
「わたしは由臣さまの専属運転手であると同時に、お察しのとおり、御庭番でございます。美哉さまが与頭(くみがしら)になったとのこと。この川村、美哉さまに忠誠を誓います」
「え……また、大げさな」
「わたしの忠誠を受け入れてくれないとは……! この川村、お詫びに切腹を……!」
といきなり、どこから取りだしたのか、ナイフを手に持ち、腹に突き立てようとしたのを見た美哉は、慌てて止めた。
「わー! 待って! 待ってください! 川村さんっ! お願いだから、ちょっと待って!」
「待てません! 与頭に忠誠を誓ったのに、受け入れていただけないわたしなど、存在する価値がないのです……!」
「いや、ないことないから! お願いだから!」
「それでは、わたしの忠誠を」
「分かった、分かったから! 受け入れるから! お願い、そのナイフ、片付けて……」
美哉が忠誠を受けいれてくれたので、川村はようやくナイフを片付けた。
「美哉さま」
「はい」
「わたしは忠誠の儀をしなくとも、あなたを裏切りません」
「……はい」
「それに、忠誠の儀をするための条件は、性的経験がないことですから、わたしにはすでにその資格がないのですよ」
「そ、そうですか……」
美哉は思わず乾いた笑いを返した。
「それでは、お車にどうぞ」
「あ、どうもありがとう」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「美哉さま、頭を上げてください。そのようなこと、もったいない」
「なにを言ってるんですか」
「わたしは由臣さまの専属運転手であると同時に、お察しのとおり、御庭番でございます。美哉さまが与頭(くみがしら)になったとのこと。この川村、美哉さまに忠誠を誓います」
「え……また、大げさな」
「わたしの忠誠を受け入れてくれないとは……! この川村、お詫びに切腹を……!」
といきなり、どこから取りだしたのか、ナイフを手に持ち、腹に突き立てようとしたのを見た美哉は、慌てて止めた。
「わー! 待って! 待ってください! 川村さんっ! お願いだから、ちょっと待って!」
「待てません! 与頭に忠誠を誓ったのに、受け入れていただけないわたしなど、存在する価値がないのです……!」
「いや、ないことないから! お願いだから!」
「それでは、わたしの忠誠を」
「分かった、分かったから! 受け入れるから! お願い、そのナイフ、片付けて……」
美哉が忠誠を受けいれてくれたので、川村はようやくナイフを片付けた。
「美哉さま」
「はい」
「わたしは忠誠の儀をしなくとも、あなたを裏切りません」
「……はい」
「それに、忠誠の儀をするための条件は、性的経験がないことですから、わたしにはすでにその資格がないのですよ」
「そ、そうですか……」
美哉は思わず乾いた笑いを返した。
「それでは、お車にどうぞ」
「あ、どうもありがとう」