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恋の行方を探してください【完結】
第19章 【十九話】名前が違います!
美哉が言葉を続けようとしたら、真那は首を振った。
「美哉さん、一つ聞いていいかしら。三男の助手ってのを受け入れたのは」
「仕事だからです」
「じゃあ、与頭も仕事と思えばいいわよ」
「…………でも」
「戸惑うのはすごく分かるわよ。いきなり小早川のナンバーツーって言われたらね。でも、そうなったところで、あなた自身になにか変化があった?」
「いえ、ないです……」
「それなら、ちょっと役割が増えたとだけ思えばいいのよ」
と真那はそう言うと、笑みを浮かべた。
「わたし、こう見えても三人の男の子のお母さんなんだけど」
「……えっ」
「よく驚かれるけど、そうなのよ。会社に来たら登録班で管理をしてるけど、家に帰ったら、お母さんと妻という役割があるわけ。それと変わらないと思うのよね」
と真那は言うが、そういうものと一緒にしてもいいのだろうか、という戸惑いは大きい。
「だれもが生きている限り、なにかを演じていくわけよ。その演じるものを自らが選ぶか、立場上、やらなければいけないのか、強制的にさせられるか。その違いは重要だけど、でも、生きている限り、なにかを演じなければならないの。だったら、無理矢理させられていても、人生は一度きり、楽しまないと損じゃない?」
真那も美哉と同じく、自ら選んでその役割をしているわけではない。その人物からそう言われてしまえば、もう嫌と言えなかった。それに、人生一度きりだから、楽しまないと損、という言葉はよく分かった。
「……そう、ですね。分かりました。それでは、お願いします」
「はい。……なんか無理矢理、わたしの都合で丸め込むようなこと言って、ごめんなさいね」
「いえ、なんというか、吹っ切れました。私は私の居場所を作るために、その役割、受け入れることにします」
「うん、それがいいわ。それじゃ、急いで作ってくるわね」
真那は今度こそ立ち上がると、二人に視線を向けた。
「なんてねっ。実はもう、登録は済んでいるし、カードもできてるの」
「……え」
「後は網膜認証と指紋認証したら終わり」
「美哉さん、一つ聞いていいかしら。三男の助手ってのを受け入れたのは」
「仕事だからです」
「じゃあ、与頭も仕事と思えばいいわよ」
「…………でも」
「戸惑うのはすごく分かるわよ。いきなり小早川のナンバーツーって言われたらね。でも、そうなったところで、あなた自身になにか変化があった?」
「いえ、ないです……」
「それなら、ちょっと役割が増えたとだけ思えばいいのよ」
と真那はそう言うと、笑みを浮かべた。
「わたし、こう見えても三人の男の子のお母さんなんだけど」
「……えっ」
「よく驚かれるけど、そうなのよ。会社に来たら登録班で管理をしてるけど、家に帰ったら、お母さんと妻という役割があるわけ。それと変わらないと思うのよね」
と真那は言うが、そういうものと一緒にしてもいいのだろうか、という戸惑いは大きい。
「だれもが生きている限り、なにかを演じていくわけよ。その演じるものを自らが選ぶか、立場上、やらなければいけないのか、強制的にさせられるか。その違いは重要だけど、でも、生きている限り、なにかを演じなければならないの。だったら、無理矢理させられていても、人生は一度きり、楽しまないと損じゃない?」
真那も美哉と同じく、自ら選んでその役割をしているわけではない。その人物からそう言われてしまえば、もう嫌と言えなかった。それに、人生一度きりだから、楽しまないと損、という言葉はよく分かった。
「……そう、ですね。分かりました。それでは、お願いします」
「はい。……なんか無理矢理、わたしの都合で丸め込むようなこと言って、ごめんなさいね」
「いえ、なんというか、吹っ切れました。私は私の居場所を作るために、その役割、受け入れることにします」
「うん、それがいいわ。それじゃ、急いで作ってくるわね」
真那は今度こそ立ち上がると、二人に視線を向けた。
「なんてねっ。実はもう、登録は済んでいるし、カードもできてるの」
「……え」
「後は網膜認証と指紋認証したら終わり」