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恋は盲目
第1章 私の片想い
今は6月の終わり。
日中は暑くてたまらないけど夕方の夕日が沈む頃に少し温度が下がってホッとするようなこの感じが好きだ。

部活が終わって友達に適当な理由をつけて先に帰ってもらった。
高三だからもうほとんどの子は引退してるけど、私のようにコンクールが夏にある吹奏楽だったり、
勝ち残っているサッカー部なんかはまだまだ部活をやっている。
グラウンドを見下ろせる階段に座って慶太を待つ。

何の話をされるんだろう。

ぼーっとグラウンドをならしている野球部の1年生達を眺める。


「悪いっ待った?」

と慶太がやってきた。

「ううん。大丈夫。」

「学校、閉まっちゃうから帰りながら話そうぜ。」

私と慶太の家は近いけど、慶太は自転車通学で私は電車通学なのだ。理由は単に山の中腹にあるこの学校に自転車で来たくないってだけ。

帰り道、慶太はとりとめもなく、同じ中学校だった子の話だとか、化学の先生は絶対ズラだと思うとか、どうでもいいようなことばかり話した。
私も会話が途切れたらいよいよ本題に入ってしまうと思い、たくさん話した。

どんどん家に近づいていく。
もう少し。
あと少しで今日は逃げ切れる。

焦るような気持ちで帰路につく。

すると慶太が家の近くの公園に立ち寄った。
田舎なので月が出ないと公園といえど真っ暗になる。

今日はまだ少し明るい。

ブランコのそばに自転車をおいて周りの柵に慶太が腰を下ろした。
私はどうしていいかわからず慶太と向かい合うかたちで立っていた。

いよいよ本題に入るんだ・・・・
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