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恋は盲目
第2章 特別な夏休み
記念撮影を終えて顧問からの言葉をもらい、結果発表まで解散となった。
今から5時間はある。
私はすぐさま総司君のもとへ飛んでいく。
「あ、あの、今から楽器、すぐ片付けてくるから、まだもうちょっと待っててくれる?」
緊張と動揺で普通に話せない。
「うん、大丈夫。じゃあ俺あそこのソファで待ってるよ。」
ホール内のソファを指差してにっこり微笑む。
「わかった!すぐ!ほんとすぐに戻ってくるから!」
「ははっ!良いよ、ゆっくりで。はい、いってらっしゃい。」
私の体をホールに向けて、ぽん!と背中を押してくれた。
もう胸がキュンキュンしてしょうがない。
私は急いで楽器を片付けに行き、周辺の整理もした。
よし!総司君のもとへ!
意気込んで出入り口に体を向けるとすぐそばに望が立っていた。
望は何も言わずグッと親指を立てた。
私も黙って深く頷きながら親指を立てて応えた。