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天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋
「僕がこの数年、どんなに不安だったか教えてあげようか」
いつだってエリン先生は自信に満ちて見えた。不安や迷いなんて何一つないんだと思った。私はびっくりしてエリン先生を振り返ると、そこには叱られた子どもみたいに目を潤ませた先生がいて。
「いつ誰に横取りされちゃうかとか、子どもの相手なんて飽きちゃわないかとか、ほんとは言わないだけで不満があるんじゃないかとか」
「ないですよ」
「でも」
でも、と言葉を止めたきりエリン先生は黙ってしまって。私はそっと腕を回して身を捩り、逆に抱きつきました。
先生なりに年齢のこととかコンプレックスだったんだなぁと、今さらながら知ったのです。
私の髪に顔を埋めて、静かに呼吸を繰り返すエリン先生が、やがて私の髪を撫でて何か呟きました。
「ん?」
「結婚して、って言ったの」
数秒の間、私は時が止まるのを感じました。実際に止まってしまっていたのは時ではなく私の思考なのですが。言葉の意味がようやく理解出来ると一瞬で私の顔は真っ赤になって、爆発しちゃいそうでした。
これはもしかして、世に言うプロポーズというやつではないでしょうか!
「でもっ……」
「大人になったら結婚して。今はまだ無理だけど。待ってて」
「……わたしで、いい、の?」
おそるおそる。見上げた瞳が近すぎてそれはもうよくみえなかったけれど。言葉なんかより確かな感触で。大好きな唇が甘い世界へ私を浚うの。